日本人の植物の叡智を学び、未来へつなぐ
「フォークロア=folklore」とは「民間伝承、民俗(学)」を指します。『和ハーブ・フォークロア』とは、日本の有用植物文化への気づきや掘り起こし、そして未来へ繋ぎ伝えていく取り組みです。
日本は国土の大半が山林の島国であり、生活素材の大部分を足もとの植物たちに頼ってきました。つまり、各地に残る有用植物文化(和ハーブの知恵)は、日本の先人たちが身近な植物とともに生きてきた「証」でもあります。
それらは一見、素朴ながら、合理的で科学的な側面も持つ古来のテクノロジーともいえます。日本の環境に応じ、日本人の遺伝子に寄り添う私たちの宝ものです。
各地の和ハーブ文化(食、薬、色彩、風呂、生活材など)は、地域の植生や気候などの風土や生活習慣に色濃い影響を受けてきました。それらは極めて多彩であり、かつオリジナリティに溢れたものです。
ですが同時に、それらを伝承する機会や人材も失われつつあり、そのスピードは年々加速しています。手を差し伸べなければ埋もれ、何もなかったように失われてしまうかもしれない“日本人の生き方の歴史と感性”。名もなき人びとが紡いできた、貴重な足もとの植物文化を掬い上げ、取り戻し、価値とともに伝えていくことが今、必要と考えています。
私たち和ハーブ協会は【日本の有用植物文化の継承と創生】をミッションに、日本各地の情報を独自に蓄積・研究してまいりました。
そしてこの度、和ハーブ・フォークロア=「足もとの植物民俗」という新しい学びの体系を編集しました。その情報とノウハウを皆様に還元していくことが、私たちのミッションの軸であり、協会活動の本質です。
コロナ禍の2020年にスタートした当講座は、その後も2021・2023年度と開講させていただき、全国各地から毎回多彩かつ熱心な受講生が集いました。それぞれの住まうエリアや縁ある場所で静かに受け継がれてきた植物文化に着目し、まなざしと理解を深めていただくことができました。
今年度はこれまでのエッセンスを凝縮しつつ、より軽やかに、“自分ごととして「植物と人の関わり」を捉え直す”プログラムで学び合いを進めます。
これをきっかけに、受講生の皆様おひとりおひとりに足もとへの気づきが生まれ、個の力がダイナミックなうねりへと展開していくことを願っています。
当協会独自の人脈と現場ノウハウで積み上げてきた、他では得がたい珠玉の情報を学べます。一方的な知識の受け取り方ではなく、自分自身や関連する地域にアプローチ/フィードバックできる実践的なカリキュラムで、植物の基礎から丁寧に身につけていきます。私たちの祖先が紡いできた素晴らしい「和ハーブ」文化の掘り起こしと伝承の第一歩を、ぜひ一緒に踏み出していきませんか。
第4回 2月20日(木)
第6回 3月20日(木)
【第4期】
◇開催日時:2025年
すべて木曜昼 13:00~15:00
1月9日、1月23日、2月6日、2月20日、3月6日、3月20日
※リアルタイム受講、アーカイブ視聴可能
※単発受講は不可となります
◇受講料(全6回):
【一般】36,300円(税込)
【和ハーブ協会正会員】33,000円(税込)
◇参加形式:会場受講/オンライン受講(Zoom)/アーカイブ受講
◇会場:一般社団法人和ハーブ協会 6Fセミナールーム
地下鉄 東銀座駅 3番出口より徒歩2分 「歌舞伎座」裏手
植物民俗研究家/一般社団法人和ハーブ協会副理事長
「和ハーブ」と日本人の関わりを多方面から調査研究。講師業、商品企画開発、地域創生プログラム等を通じ、自然の恵みと共にあった先人の尊い知恵を今にどう活かし、未来へ届けるかを考えるメッセンジャー。共著『あなたの日本がもっと素敵になる 8つの和ハーブ物語』(産学社)の出版を皮切りに『和ハーブ図鑑』『和ハーブ検定1級・2級公式テキスト』その他コラム連載・メディア多数。2022年発売『和ハーブのある暮らし』(エクスナレッジ)はAmazon「ハーブ・山菜部門」で1位を獲得。
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私自身は当協会が発足して約15年の間、全国各地の植物づかいのプロたちをお訪ねし、諸先生方にリアルな教えを請いながら知恵を集め、積み重ねてまいりました。そこには常に驚き、発見、そして日本人の暮らしに寄り添う英知があり、ちょっと昔の日本に置き忘れてきた価値への深い出会い直しがありました。
当プログラムを通じて、日本各地に伝承される地域独自の有用植物文化について、これまで蓄積してきた情報やノウハウを縦横無尽に繋げながら、皆様と共有していきたいと思います。
自然環境と会話しながら交わってきた、日本人の繊細なトライブテックを一緒に探求し、私たちの未来を力強く開いていきましょう!